ハウジングの形状・素材について

 

ヘッドホンでいうハウジングとは、耳付近に設置させるべき機械や部品をひとまとめにして収納されている箱のような部品です。

ただ部品類を詰め込むためだけの存在であればたいして注目する点でもありませんが、ハウジングの形状や材質によって音質が左右されるのであれば、音マニアの方は注目せざるを得ませんよね。

今回はこのハウジングの代表的な種類と材質について、それぞれの特性を説明していきます。

開放型(オープンエアー型)


▲開放型ヘッドホン、ハウジングの外側が網目のようになっている


 

開放型か密閉型かはハウジングの形状である程度判断する音ができます。

オープンエアー型とも呼ばれる開放型の特徴としては、ハウジング内が密閉されておらず、空気が出入りできる隙間があるのがポイントです。

その結果、イヤホンでいうなればインナーイヤー型のような、耳の横にスピーカーを置いたかのような開放的な音楽を聴くことができます。

またハウジング内での音の反射が少ないことから、スッキリとした高音を出すことに長けたハウジングタイプでもあります。

スピーカーのようなという表現をした通り、音が自然な形で耳へ入っていくので、長時間音楽を聴いていても負担を感じず、集中して聴くというよりかはリラックスした状態で音楽を楽しむことに適しているのが開放型ヘッドホンです。

 

ただハウジングが密閉されていないという構造上、密閉型のヘッドホンと比較して音漏れが大きいという特性があります。

周囲に人がいない、または多少の音が漏れても問題ない室内での使用が最適かと思います。

 

密閉型(クローズド型)


▲密閉型ヘッドホン、ハウジング内が密閉され音漏れも少ない


 

開放型とは全くの逆で、ハウジング内が密閉されており、そのおかげで遮音性が高く音漏れがしにくいのがこの密閉型ヘッドホンです。

音をハウジング内に閉じ込めるようなイメージで、開放的な音楽を楽しめる開放型と比較して、密閉型はズッシリとした音になり立体的な音楽を楽しめるのが特徴です。

また高い音が得意な開放型に対して、密閉されたハウジング内の空気を利用できるため、迫力のある低音を聴くことができます。

より集中して音楽を楽しみたい場合、またはその遮音性を活かして屋外やまわりに人の多い場所での使用がオススメです。

 

ハウジングの素材

 

ハウジングの素材で音に大きな影響を与えることはありませんが、少しでも音質を向上させたいといった方は目を通しておくとよいかもしれません。

ハウジングの素材はザックリと分けて3種類。

  • プラスチック製
  • 金属製(アルミ、チタン等)
  • 木製

一般的によくヘッドホンのハウジングに使われている材質はプラスチックですが、中にはアルミやチタンで作られていたり、どこかのよくわからない木が使われているハウジングもあります。


▲ハウジングの素材にアルミを採用したヘッドホン


 

金属製ハウジングのヘッドホンはプラスチック製のヘッドホンと比べて少しだけ値段が高い傾向にあります。

その分プラスチックよりも強度が高く、音による振動も少ないといったところから、より鋭いクリアな音を感じることができます。


▲品名:ATH-W1000Z、木製ハウジングの中でかなりの人気を誇るヘッドホン


 

木製ハウジングは何の木を使ったかによって性能が大きく違ってきます。

あるメーカーは北海道産のアサダ桜を使用していたり、天然チーク材を使用していたり(天然かどうかって関係あるのかな)と、さまざまな種類があります。

なのでひとえに木製といっても、それがどれくらいすごいのかが全く判断できないという点は理解しておくべきかと思います。

そのメーカーがその木を使ったことでこれくらいすごい!という情報(宣伝)を鵜呑みにするほかありません。ザックリ言うと信頼性に欠けます。

また基本的な値段というものも木製ハウジングには存在しません。3,000円程度の物から10万円を平気で超えるような製品も存在します。

ただ木製のハウジングを使用した高級ヘッドホンは音質がいいという声があるのも事実ですので、お金に余裕のある方は購入してみるのもいいかもしれません。ただしハズレを引く覚悟で。。。