
Sony製ヘッドホンの中で筆者が一番におすすめしたい、Sonyのヘッドホンが万能であると象徴するに最もふさわしいシリーズがこちら、h.earシリーズです。
音質面は言わずもがな、ファッションアイテムとして十分ともいえるデザイン性、長時間使用でも全然気にならない使用感。そしてh.earシリーズの上位へいくにつれ、コードレス化やノイズキャンセリングといった、使用感をより向上させる機能が詰めこまれていきます。
特にh.ear on 2シリーズである上位3製品は2017年の9月ごろに開発・販売されたばかりであり、ヘッドホンに込められたSony最新の技術を楽しむことができます。
今回はそのh.earシリーズに含まれるヘッドホンそれぞれの比較と、Sonyがh.earシリーズに組み込んだ機能と特徴を詳しく解説していきます。
ラインナップ一覧
h.earシリーズの共通点
ファッションアイテムとして優秀なデザイン
h.earシリーズのわかりやすい特徴と言えば、やはりデザイン性の高さではないでしょうか。このソフトな色合いとカラーバリエーションの豊富さが女性男性関わらず、多くの人に受け入れられており、またそれがh.earシリーズを購入する一番の理由でもあります。
中でもh.ear on 2シリーズはSonyが販売する最新ウォークマン、A40シリーズとそれぞれ全く同じ色合いに合わせられています。もちろんウォークマンA40とのシナジーもありますが、ヘッドホン単体で見てもこのデザイン性を超えられるヘッドホンは他メーカーを覗いてもなかなかありません。
そのファッションアイテムとしての性能の高さから、h.earシリーズは電車内やウォーキング中、外出時などの屋外使用にも適しています。
共通して密閉型なので音漏れも少なく、またh.earシリーズ上位のヘッドホンになると前述したノイズキャンセリング機能やワイヤレス機能など、屋外での使用にさらに磨きのかかる機能が組み込まれるのでなおさら使いやすくなります。
40mmHDドライバーユニット
Sonyの音質を支える重要な要素がこのドライバーユニットです。
h.earシリーズは共通して40mmHDドライバーユニットを採用しており、後述するh.ear on 2 Mini Wireless(WH-H800)に使われている振動版を除いて、マグネットやボイスコイルといったその他の部品はすべてh.earシリーズ内で統一されています。
特に振動版の素材や形状は音質に大きく関わってくる要素であり、その点h.ear on 2 Mini Wireless(WH-H800)以外は振動版の素材にチタンを使用しているため、一般的に使われているPET素材の振動版よりも音域が広がり、鮮やかな音を奏でることができます。
また音質繋がりの構造でいくと、h.earシリーズのハウジング上には重低音のリズムを正確に再現するためのポート(通気孔)が設けられています。これによって振動版の動きを最適化することで、低音域でもそのままのリズムをしっかりと表現することができます(h.ear on 2 Mini Wireless(WH-H800)はコンパクト化のためこの機構はついていません)。
「本来の音をそのまま再現する」というSonyの理念に基づいて作られており、こういった小さな仕組みを積み重ねることで音にクセを感じない、誰が聞いても違和感を覚えない安定した音楽を楽しむことができるようになっています。
折りたたみ機構と付属品
h.earシリーズはすべて折りたたみ機構が採用されています。ヘッドホンをコンパクトに収納することができ、持ち運びにも備えたつくりとなっています。
そのまま鞄に収納して持ち運ぶこともできますし、h.ear on 2 Mini Wireless(WH-H800)とh.ear on 2 Wireless NC(WH-H900N)に関してはヘッドホンを購入すると付属品としてキャリングポーチがついてきますので、中に収納するすることでヘッドホンの外傷を減らすことが可能です。
h.earシリーズは屋外での使用にも適していますので、こういった機能や付属品を有効活用して屋外ヘッドホンライフを楽しんでいきましょう。
h.ear on (MDR-100A)
h.ear on 2シリーズよりも前に販売されたモデルで、唯一いまだに販売停止されず生き残っているヘッドホンです。h.ear on 2シリーズとはまた色合いが違っていて、ソフトなカラーであるh.ear on 2シリーズと比べてこちらはより色が濃く、鮮やかな色合いが特徴です。
しかし今でもh.earシリーズを支え続けている実績は本物で、h.ear on 2(MDR-H600A)とh.ear on 2 Wireless NC(WH-H900N)で使用されているドライバーユニットと同じものが、h.ear on (MDR-100A)にも使われています。
まぁh.ear on 2シリーズが元々のh.earシリーズのデザインを参考にして作られたものなのですが、現h.earシリーズ最上位であるh.ear on 2 Wireless NC(WH-H900N)と似たような音質をこの値段で楽しむことができるというのはなかなかのアドバンテージです。
またXperia専用ではありますが、リモコン操作を自由に組み替えるこのできる「SmartKeyアプリ」を利用することができます。このアプリを活用することで、「このボタンを3回押せば今流れている曲をリピート」といった操作を自分で設定することができます。
h.ear on 2シリーズの前身であるh.ear on (MDR-100A)。しかしカラーリングはh.ear on 2シリーズとは違うのでデザイン的にこちらの方を購入したいという方もいるかと思いますが、もうそろそろこのh.ear on (MDR-100A)、販売停止してしまうかもしれません。
ソニーストアでは既にh.ear on 2シリーズ以外はh.earシリーズとして存在しておらず、また2018年1月現在ではカラー5種類の内、3種類は販売終了してしまいました。ソニーストアに残っているh.ear on (MDR-100A)のカラーはレッドとイエローのみです。
他の通販サイトや実店舗では他のカラーが販売されている所もありますが、それも時間の問題です。遠くないうちにh.ear on 2シリーズ以外は残らない可能性が濃厚なので、気に入った方は早めの決断をおすすめします。
h.ear on 2(MDR-H600A)
h.ear on 2シリーズの基本となるヘッドホンがこちら、h.ear on 2(MDR-H600A)。
従来からあるh.earシリーズ、h.ear on (MDR-100A)の性能を多く引き継いでおり、カラーリング以外は大体似たようなスペックを保持しています。ドライバーユニットも全く同じ作りになっていますし、h.ear on (MDR-100A)でも使えた「SmartKeyアプリ」にも対応しています。
構造やデザインもびっくりするくらい似ています。h.earシリーズの特徴がしっかりと引き継がれており、h.ear on (MDR-100A)と比べると変化しているのはやはりカラーリング程度です。
値段もどちらも似たような価格です。自分の好きな色合いはどっちか、で選んでも問題ないところではありますが、h.ear on (MDR-100A)は近いうちに販売終了してしまう可能性大だという点は考慮しておきたいところです。
h.ear on 2 Mini Wireless(WH-H800)
h.ear on 2(MDR-H600A)にBluetooth等のワイヤレス機能を搭載し、そしてh.ear on 2 Wireless NC(WH-H900N)をコンパクトに設計したヘッドホンがh.ear on 2 Mini Wireless(WH-H800)です。
h.earシリーズの中で一番軽量で負担も少なく、頭の小さい方にもしっかりとフィットさせることのできるデザインとなっています。おそらく女性向けにSonyが開発したヘッドホンで、小型化のために内部構造も他のh.earシリーズとは若干異なる部分があります。
まずハウジング部分を小さくするため、ドライバーユニットの1部品である振動版が他のh.earシリーズとは違うものが使用されています。
h.earシリーズの大半はチタンコートドーム振動版という優れた振動版が使われており、その形状を利用しながらもより薄型の振動版をオリジナルで作成し採用することで、その他の同じ部品を使用しながらも小柄なハウジングに大口径のドライバーユニットを利用することを可能としました。
NFCを利用したプレイヤーとのワンタッチ認識と通信、Bluetoothによるコードレス可、ワイヤレスでありながらもハイレゾ相当の音質を保持できるコーデックなど、従来のh.earシリーズと比較して性能的に大きく進歩しています。
また「Headphones Connect」という専用アプリを利用することで、自分好みの音場設定に設定することができます。今日は気分がノッてるからアリーナ感覚で音楽を聴こう、などといったその場所特有の雰囲気と音響を自分で決めて味わうことができます。
h.earシリーズ最上位であるh.ear on 2 Wireless NC(WH-H900N)の多くの機能を保持した性能がh.ear on 2 Mini Wireless(WH-H800)にはあります。どちらを選ぶかは後述する性能差とデザイン、サイズ感で選んでいきましょう。
h.ear on 2 Wireless NC(WH-H900N)
そしてh.earシリーズ最高峰であり、h.earシリーズの長所をすべて取り込んだうえでノイズキャンセリング機能まで搭載したのがh.ear on 2 Wireless NC(WH-H900N)です。
スリムな形状かつ軽量、高いファッション性がありながらも高音質と高機能を保持しているという、まさにお手本のような万能型ヘッドホンへと仕上がっています。
Bluetooth等のワイヤレス通信や専用アプリである「Headphones Connect」の利用など、これまでのh.earシリーズでできることはすべてh.ear on 2 Wireless NC(WH-H900N)でも可能。
またノイズキャンセリング機能のほか、平らなハウジング部分を指で触るだけで音量調節や曲選びが可能という、Sonyのヘッドホンの中でもとびぬけた使用感を誇ります。
そのほか外部の音をどれだけシャットアウトするかの調整が可能、NFCを利用したワンタッチ接続機能、Bluetoothを利用することでヘッドホンを装着しながらも電話や通話ができるハンズフリー通話、コードレス時でのハイレゾ対応などなど。
ここまでできるヘッドホンは他メーカーのヘッドホンを探してもかなり稀有です。まさに近未来的ヘッドホンというか、これほどの機能を搭載していながらも安定した高音質、そして使用者が楽に使える便利なヘッドホンというのはそうそうありません。ここはやはりSonyの技術力のたわものといったところでしょうか。
h.ear on 2 Wireless NC(WH-H900N)はユーザーがヘッドホンで感じる不満や、こうなればいいのにといった要望が想像以上に叶えられているヘッドホンとなりました。
痒い所に手が届くような、誰が使っても安定したパフォーマンスを発揮してくれる機種です。ヘッドホン選びに失敗したくないという方に一番おすすめできるヘッドホンだと筆者は感じます。
総評
といったところでh.earシリーズの紹介は以上となります。
h.earシリーズは全体を通して音質やデザイン性でのクセが無く、多くの人に受け入れられるヘッドホンがそろった、安定感のあるヘッドホンだという印象があります。音の再現度も非常に高く、Sonyらしい繊細で高品質な製品へと仕上がっています。
これからヘッドホンを使い始めてみようかという方にも安心して紹介できる安定感がありますので、ヘッドホンに不慣れな方はこのh.earシリーズから踏み出してみるのはいかがでしょうか。