【sony】ソニーの新発売ヘッドホン「h.ear on 2(MDR-H600A)」と「MDR-1ABP」を徹底比較!

2017年9月。

数々の優秀な音楽機器を作り続けているsonyから、今年も新たなヘッドホンが登場しました。技術開発を重ね、満を持して公開されたのがh.ear on 2(MDR-H600A)MDR-1ABPの2種類です。

普通こういった新製品は数か月に一度といった具合に小分けで公開していくものなのですが、なんとsonyはヘッドホン2種類を同時期に公開してきました。そうなると当然、「どっちを買ったらいいの?」という疑問がわいてきますよね。

ということで今回はどちらのヘッドホンがあなたに適しているか、sonyの新発売ヘッドホン2種類を隅々まで比較してみることにしました。

 

2種類のスペック比較表

 h.ear on 2(MDR-H600A) 品名  MDR-1ABP
画像
 密閉ダイナミック型 型式 密閉ダイナミック型 
 40mm ドーム型 ドライバーユニット 40mm ドーム型 
 103 dB/mW 感度 105dbB/mW 
ネオジウム  マグネット  ネオジウム
 5Hz-60,000Hz 再生周波数帯域 3Hz-100,000Hz
 24 Ω インピーダンス  24 Ω
 1500 mW 最大入力  1500 mW
約1.2 m  コード長  約1.2 m
 × コードタイプ 着脱式
 金メッキL型4極ミニプラグ 入力プラグ バランス接続ヘッドホンケーブル(金メッキL型バランス標準プラグ) 
約 220 g  質量 約 225 g 
 約 19,880円 値段 約 29,880円 

赤文字は片方と比較して優れている要素です。

まず注目していただきたいのが値段の部分。「MDR-1ABP」よりも「h.ear on 2(MDR-H600A)」の方が10,000円ほど安い値段で販売されています。ということは、「MDR-1ABP」の方が1万円分の高い性能を持っているはず!そう思いますよね。

しかしながら、この比較表だけでは具体的にどんな差があるのかがいまいちピンとこないはずです。このカタログスペックを見る限りだと、1万円分の差がどこに出ているのかよくわかりません。

では具体的に、2種類のヘッドホンでどちらがどう凄いのか?それぞれの長所を詳しくご紹介します。

 

h.ear on 2(MDR-H600A) の長所

 

MDR-1ABP」より1万円ほど安い「h.ear on 2(MDR-H600A)」ですが、実は「MDR-1ABP」よりも圧倒的に優れている点がもう1つあります。それは「MDR-1ABP」には無い、多彩なカラーバリエーションです。

 

  • 5種類のカラーから選べる豊富なデザイン

MDR-1ABP」は色の種類が1種類に対して、「h.ear on 2(MDR-H600A)」は5種類のカラーから自分の好きなデザインを選ぶことができます。やはり数年とお世話になるヘッドホンですから、できればブラック以外にもいろんな色の中から選んでいきたいですよね。

屋外で使用する場合は特に、ヘッドホンは音楽を聴く機械であると同時にファッショングッズでもありますので、自分のスタイルと服装との色合いにマッチしたヘッドホンを選択することで、よりオシャレに仕上げることができます。

明るい色からクラシックな色まで網羅しているデザイン性に富んだヘッドホンがこの「h.ear on 2(MDR-H600A)」です。

 

MDR-1ABP の長所

 

h.ear on 2(MDR-H600A)」より1万円ほど高価で色もブラック1種類というこの「MDR-1ABP」。このままではマズいですよ、「MDR-1ABP」を選ぶ理由がなくなってしまいます。

しかしカラーバリエーションを特徴とした「h.ear on 2(MDR-H600A)」と比較して、「MDR-1ABP」はより音質に重きをおいたヘッドホンです。それは確実に「h.ear on 2(MDR-H600A)」よりも優れているといえます。

 

  • 音質面でh.ear on 2(MDR-H600A)よりも高いスペック

h.ear on 2(MDR-H600A) 品名 MDR-1ABP
103 dB/mW 感度 105dbB/mW
5Hz-60,000Hz 再生周波数帯域 3Hz-100,000Hz
× コードタイプ 着脱式
金メッキL型4極ミニプラグ 入力プラグ バランス接続ヘッドホンケーブル(金メッキL型バランス標準プラグ)

基本的なカタログスペックを見ても、やはり「MDR-1ABP」の方が全体的に高いスペックを保持していることは明らかです。

ですが感度や再生周波数帯域はあくまで目安。要はそれだけメーカーが「このヘッドホンを作りこんでいる」ということのアピールのようなものです。実際に「MDR-1ABP」の音質の良さを表現するスペックはここではありません。

MDR-1ABP」が「h.ear on 2(MDR-H600A)」の音質を超えている大きな要素は、ドライバーユニット内の振動版の素材による違いと、バランス接続が可能という点にあります。

 

  • アルミニウムコートLCP(液晶ポリマー)振動版を採用

振動版はヘッドホンの音質を決定づける重要な部品です。基本的にヘッドホンやイヤホンがどれほどの音質かというのは、この振動版という部品が大きく左右しています。

h.ear on 2(MDR-H600A)」はその振動版にチタン素材を使用しています。これはステンレスやクロムと並ぶほどの剛性の高さを持つ金属素材で、値段の高いイヤホンやヘッドホンによく使われると同時に、不要な振動を軽減できるためより鮮やかな音質に仕上がっています。

h.ear on 2(MDR-H600A)」もなかなか性能の良い振動版を採用しているのですが、「MDR-1ABP」はそれ以上の音質を発揮できる、アルミニウムコートLCP振動版というものを採用しています。

ただのアルミニウム素材の振動版であればたいした音質にはなりませんが、「MDR-1ABP」はLCP(液晶ポリマー)にアルミニウムをコーティングすることで、チタン素材やそれに並ぶ素材を越えた、より空間表現力の向上したクリアな音を聞くことができます。

もともと液晶ポリマーは昔から良質な音響素材として存在していましたが、加工の難易度の高さとそれによる量産のしづらさといった点で、ヘッドホンの振動版に使用するには難しい素材でした。

sonyの技術力の向上により今ではこうして高級ヘッドホンの振動版として採用されるようになりましたが、今でも大量生産は難しく供給が間に合っていないのが現状です。それほど性能の良い振動版がこの「MDR-1ABP」には使われています。これが「MDR-1ABP」が音質面で「h.ear on 2(MDR-H600A)」に勝る理由の1つです。

 

  • バランス接続による高音質化

MDR-1ABP」はバランス接続が可能になっているため、Φ4.4mmのヘッドホンバランス端子に対応したアンプやウォークマンを利用することによって、さらに音質を向上させることができます。

普通のケーブルとバランス接続用のケーブルとでは音質を上げるために作りそのものを大きく変えているため、対応した機器が必要ではありますが、周辺機器さえ整えればこの「MDR-1ABP」のだせる音質を最大限に発揮することができます。

アンプやウォークマンを使用せず、普通のスマホやPCで「MDR-1ABP」を使うのであればバランス接続を活かすことができません。そういった意味で、「MDR-1ABP」は周辺機器を揃え、カスタマイズすることで良さが活きるヘッドホンだといえます。

MDR-1ABP」はカスタマイズ性に富んだヘッドホンということで、次の項目にもつながります。

 

  • 着脱式による金銭的リスクの低減

MDR-1ABP」はヘッドホンとケーブルとで着脱が可能になっています。これによってたとえケーブルが断線してしまったとしても、「MDR-1ABP」に対応したケーブルを購入して付け替えるだけで再度ヘッドホンを使用することができます。

基本的に着脱式でないヘッドホンは、コードが断線してしまうとヘッドホン本体ごと買い替えなければいけないので、その分の金銭的リスクを背負う必要がないというのも大きなメリットです。

また着脱式というメリットを活かして更に音質を向上させることができます。

sonyは高音質をだせるケーブル単体も販売しています。「MDR-1ABP」は別売りのソニー製ヘッドホンケーブル(MUC-Sシリーズ)に対応しているので、より作りこまれたケーブルへ付け替えることによって、さらにいい音を楽しむことができます。この点も前述したカスタマイズ性の1つですね。

 

まとめ

 

〇 h.ear on 2(MDR-H600A)

  • カラーバリエーションが豊富
  • 手軽かつある程度高水準な音質を保持したヘッドホン

〇 MDR-1ABP

  • アルミニウムコートLCP振動版による超高水準な音質
  • バランス接続対応、アンプ等を介することで更なる音質アップが可能
  • ケーブル着脱式、より質の良いケーブルへの交換が可能

 

前述したとおり、「MDR-1ABP」は「h.ear on 2(MDR-H600A)」より1万円ほど高価です。「MDR-1ABP」を使用するにしてもアンプやウォークマンを利用しない、付属のケーブルを使用し続けるのであれば2種類のヘッドホンの差は振動版の品質にほぼ限定されます。

もちろんその振動版の品質こそが音質を決定づける一番の要素といっても過言ではありませんが、「MDR-1ABP」の性能を最大限に活かしたい場合は、アンプやより高品質なケーブルの購入も視野にいれるとより高音質を楽しむことができます。

h.ear on 2(MDR-H600A)」は使い方や場所に問わず、安定した性能を発揮してくれます。カラーも5種類から選べるので、より自分のファッションにマッチしたデザインを選びやすいのも特徴です。

性能自体も平均的なヘッドホンと比較してもまず負けないほどの性能を保持しています。屋内でも屋外でも、手軽に高音質を感じることができるでしょう。