【sony】カラーバリエーション豊富なヘッドホン「h.ear on 2(MDR-H600A)」と「MDR-XB550AP」を比べてみよう

sonyは2017年9月に新作ヘッドホンh.ear on 2(MDR-H600A)を販売開始しました。5種類のカラーから選択できる、手軽に扱えるといったところで、汎用性に富んだヘッドホンに仕上がっています。

もともとsonyは「h.ear on (MDR-100A)」というヘッドホンを販売していて、今回の新作である「h.ear on 2(MDR-H600A)」はそのリメイクとして登場しました。

そんな中で「h.ear on (MDR-100A)」はひっそりと息を引き取った(生産終了)わけですが、sonyにはカラーバリエーション豊富なヘッドホンがもう1種類あります。それがMDR-XB550APです。

「MDR-XB550AP」も「h.ear on 2(MDR-H600A)」と同じく、5種類からの色選択が可能です。色合いは若干違う部分がありますが、双方ファッション性を生かしたようなデザインとなっています。

汎用性も高く、「とりあえずこのヘッドホンでいいかな」で購入してもなんら問題ない程度のスペック・ポテンシャルは保持している、、、

ということで、似たような要素の多い「h.ear on 2(MDR-H600A)」と「MDR-XB550AP」ですが、今回は双方の違いをデザインと値段以外にもいろいろと解説していきます。

 

2種類のスペック比較表

赤文字は片方と比較して優れている要素です。

この表をザックリと説明すると、「MDR-XB550AP」は値段と質量、「h.ear on 2(MDR-H600A)」はそれ以外の性能で片方と比較して勝っている、といった内容を表しています。

比較するとはいいますが、この2種類のヘッドホンはどちらもファッションを重視した手軽なヘッドホンであり、その外見や手軽さは似たようなものがあります。

ではどちらがどう優れているかの前に、カラーバリエーションや持ち運びの手軽さがどこにどう表れているか、2種類のヘッドホンを比較して見ていきましょう。

 

カラーバリエーションの違い

▲h.ear on 2(MDR-H600A)


▲MDR-XB550AP


 

「h.ear on 2(MDR-H600A)」はなめらかで優しい、ソフトな色合いなのに比べて、「MDR-XB550AP」は重量感のある濃い色のついたデザインになっています。軽いのは「MDR-XB550AP」なんですけどね。

こういうイメージはあまり適切ではないかもしれませんが、「h.ear on 2(MDR-H600A)」はその軽い色合いから特に女性の方への支持が熱いように感じます。ふわっとしたデザインなので、おしとやかな女性が身に着けていても違和感を感じにくいモデルですね。

逆に明度の低い色合いのデザインは男性受けしやすいですね。単純になんかカッコいいから。まぁ筆者は「h.ear on 2(MDR-H600A)」の方が好みなんですけどね、デザイン的に。

単純にお互い5つのカラーバリエーションといっても、色合いがけっこう違ってくるので、デザイン性も重視したい方は注意ですね。デザインで選ぶ場合は上記の性別の受けがどーのこーのは全く気にしないで、自分が気に入ったものを選択しましょう。あくまで個人的な分析ですから。

 

コンパクト化の違い

▲h.ear on 2(MDR-H600A)、折りたたみ機構


 

「h.ear on 2(MDR-H600A)」はハウジング部分を内側に収納できる折りたたみ機構を採用しています。そのままの形状だとけっこうスペースをとるのでバッグに入れづらかったりしますが、ハウジング部分を折りたたむことである程度軽減することができます。

 

▲MDR-XB550AP、スイーベル機構


 

「h.ear on 2(MDR-H600A)」の折りたたみ機構とは違って、「MDR-XB550AP」はハウジング部分を90度回転させることでヘッドホン自体を平らにすることができるスイーベル機構を採用しています。

面積的にはそう変わりはありませんが、ハウジング部分の高さの違いが無くなるのでので、平べったいフラットな状態で収納することができます。

どちらの種類も「屋外で使っても違和感をもたれない、かつ手軽に持ち運びができる」というポイントを重視しているヘッドホンなので、折りたたみの違いはあれど、双方コンパクトに収納できるというメリットを保持しています。

以上がお互いの長所の比較、どちらもが持ち合わせているメリットを比較してみました。ここからは「h.ear on 2(MDR-H600A)」と「MDR-XB550AP」のそれぞれ違う優れたポイントをまとめていきます。今度は「MDR-XB550AP」の方からいってみましょうか。

 

MDR-XB550AP の優れている点

冒頭ではデザインや値段以外にも比較を、という前置きをしましたが、それでもこの値段の差をスルーするわけにはいきません。2つのヘッドホンには約14,000円ほどの価格差があります。ある程度の性能差があるとはいえ、似たようなカラーリングでこの値段差があれば、どちらかを選ぶか非常に悩みどころだと思います。

「MDR-XB550AP」は価格の安さという点以外にも、質量という点で「h.ear on 2(MDR-H600A)」よりも上回っています。その差は約40g。1円玉40枚分、10円玉に換算すれば9枚分ほどの差ですね。

質の高い音を出すためにはいろいろと部品をハウジング内部に詰め込む必要があります。音質を求めるためには、ある程度の質量増加は目をつむる必要がありますが、音楽を聴くとき常に頭の上に乗せておく製品ですから、できれば軽いヘッドホンを選びたいものです。

ということで、「MDR-XB550AP」は値段的にも質量的にも、お手軽なヘッドホンであるといえます。いままであまりヘッドホンを使ったことがないという方でも、比較的簡単に手を伸ばすことのできるモデルですね。

 

h.ear on 2(MDR-H600A) の優れている点

 

さて、ここからは「h.ear on 2(MDR-H600A)」のターンです。同じファッション重視のヘッドホン、その約14,000円分の性能差を見せつけてやりましょう。

このヘッドホンの性能を「MDR-XB550AP」と比較すると、

  1. 全体的に高いスペック
  2. 振動版の素材そのものの違い

という点があげられます。

 

1.全体的に高いスペック

当然ながら、「h.ear on 2(MDR-H600A)」は「MDR-XB550AP」よりも全体的に高いスペックを保持しています。感度や再生周波数帯域の違いはあまりたいしたことではないのですが、注目すべきはその下2項目。

最大入力の差がが500mWも違います。いやいや、それだったら再生周波数帯域なんて4万も違うぞと思うかもしれませんが、最大入力の差が500mWというのは周波数4万よりも数十倍違う価値があります。

最大入力というのは、どれだけ大きいパワー(音)をキチンと反映できるかという数値です。感度とも呼ばれていますが、簡単に言うと音の大きさに関わってくる数値ですね。

この数値が高ければそれだけ、盛り上がる音楽のサビなど、瞬間的に高いパワーでプレイヤーが音を出しても、その音をノイズにすることなくしっかりと耳に届けることができます。

あくまで瞬間的な上限なので、常に1,500mWマックスの入力で音楽を聴くことはできませんし、そんな機会はそうそうありませんが、瞬間的なパワーにも対応できるヘッドホンはいいヘッドホンです。

 

あと決定的な違いであるコードタイプ。これは「h.ear on 2(MDR-H600A)」の長所というより「MDR-XB550AP」が抱えているデメリットに近い部分ですが、、

「h.ear on 2(MDR-H600A)」は片方のハウジングにケーブルが繋がっているのに対して、「MDR-XB550AP」はY型といって、左右のハウジング両方にケーブルが繋がっている仕様です。早い話、イヤホンのような感じですね。

何が問題かというと、まぁ左右にケーブルがあるのは邪魔というのもありますが、若干ですが断線のリスクが上がるという点にあります。

よくイヤホンを長い間使っているとケーブルの断線によって、「あれ、右の方から音でなくなったぞ」というケースが稀にありますが、あれが同じY型である「MDR-XB550AP」にも起こりえるということですね。

 

2.振動版の材質そのものの違い

「MDR-XB550AP」は他の同じような値段のヘッドホンと比較しても振動版という点では劣ることはないでしょう。それはsonyが頑張って開発した「エクストラベース振動版」なるものを使用しているからです。

基本的に1万円を切るような価格のヘッドホンは振動版にPET素材を使うことが多いのですが、sonyは普遍的なPET素材の振動版の形状を工夫することで、同じ素材の振動版よりも高性能な振動版を開発しました。

これにより普通のPET素材の振動版と比べて、より迫力のある低重音を再現することが可能になりました。これで同価格帯のヘッドホンと勝負することができる・・・!

 

しかし今回の比較対象である「h.ear on 2(MDR-H600A)」とは振動版の素材そもそものが違いました。「h.ear on 2(MDR-H600A)」に組み込まれている振動版は「チタンコートドーム振動版」。

チタンというのは振動版に利用される素材の中でも比較的レベルの高い素材で、ある程度高級なヘッドホンに採用されるような素材です。当然いい音、出ます。

いくら工夫をこなしてもPET素材だという点に変わりはありません。振動版が質の高い音を出すための最も重要な要素は「振動版に使う素材」です。

基本的にヘッドホンのほとんどは 値段の高さ=振動版の素材の良さ なので、振動版にチタンを使った「h.ear on 2(MDR-H600A)」がPET素材の振動版である「MDR-XB550AP」に音質面で上なのは当然のことです。ここが約14,000円分の値段の違いですね。

 

まとめ

〇MDR-XB550AP

  • 価格が安価、質量も軽い
  • 濃い目のカラーバリエーション

〇h.ear on 2(MDR-H600A)

  • 全体的に高いスペック
  • 振動版にチタンを採用、音質がいい
  • ソフトなカラーバリエーション

 

「MDR-XB550AP」は値段の安さも相まって、とにかくとっつきやすいのが特徴です。ヘッドホン慣れしていない方でも大きなリスクを背負うことなく挑戦することができます。

「h.ear on 2(MDR-H600A)」は音質がいいヘッドホンが欲しい、でもゴテゴテのヘッドホンはイヤ、ファッション力も高いやつがいい、という願いを全部叶えてくれる欲張りセット型ヘッドホンです。

どちらもファッション性自体は非常に高いスペックを持っていますので、自分が音質にどれだけこだわれるか、という視点で選んでみると後悔しない選び方ができるかと思います。